はじめに:赤ちゃんの離乳食はいつから?
赤ちゃんが初めての食べ物を口にする瞬間は、喜びと不安が入り混じるものです。新しい食材との出会いは、赤ちゃんにとって未知の世界への第一歩。しかし、その裏には食物アレルギーというリスクが潜んでいます。
一見単純に見える食物アレルギーは、時に爆弾のような危険を秘めています。特定の食材が引き金となり、免疫システムが過剰反応を起こすことで、深刻な症状を引き起こす可能性があるのです。
本記事では、赤ちゃんの食物アレルギーに関する基礎知識から具体的な対処法まで、医療従事者の視点を交えて詳しく解説します。アレルギー反応が起きた際の適切な対応法や、予防のために知っておくべき重要なポイントを余すところなくお伝えします。
食物アレルギーとは?
食物アレルギーは、免疫システムが特定の食品タンパク質を「敵」と誤認識することで発症します。この過剰な免疫反応が、皮膚症状や呼吸器症状、消化器症状など多様な症状を引き起こします。
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主なアレルギー症状
皮膚症状
蕁麻疹や湿疹、かゆみなどが代表的です。赤ちゃんが皮膚をかきむしるような仕草を見せたら要注意です。
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消化器症状
嘔吐や下痢、腹痛などが現れます。乳児期に多い胃腸症状は、ミルクアレルギーとの関連が指摘されています。
呼吸器症状
ゼーゼーとした呼吸や咳込み、声のかすれはアナフィラキシーの兆候です。速やかな対応が必要です。
眼症状
結膜充血や涙目、まぶたの腫れなどが現れる場合があります。花粉症との鑑別が必要です。
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主なアレルゲン食品
乳製品、卵、小麦、そば、ピーナッツ、エビ、カニが7大アレルゲンとして知られています。乳幼児期は特に卵・牛乳・小麦によるアレルギーが多くを占めます。
1. 乳製品
乳児期早期から発症するケースが多く、消化器症状を主訴とする場合が目立ちます。母乳栄養児でも母親の食事が影響する場合があるため、授乳中の母親の食事管理も重要です。
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2. 卵
卵白に含まれるオボアルブミンが主要なアレルゲンです。加熱処理で抗原性が低下するため、完全除去が必要なケースは稀です。
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3. ナッツ類
ピーナッツアレルギーは重篤化しやすく、微量摂取でも反応するケースがあります。加工食品の原材料表示の確認が重要です。
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4. 魚介類
青魚に含まれるパルブアルブミンが主要アレルゲンです。加熱調理で抗原性が低下する場合がありますが、完全除去が必要なケースも少なくありません。
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5. 小麦
グルテンに対する過敏症であるセリアック病とは異なり、小麦タンパクに対する即時型アレルギーが主です。パンや麺類だけでなく、調味料にも注意が必要です。
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アレルギー反応時の対応
アナフィラキシー症状が疑われる場合、速やかに医療機関を受診してください。エピペンの適切な使用法を事前に確認しておくことが重要です。
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予防と対策
完全除去が基本ですが、近年は経口免疫療法が注目されています。医師の管理下で少量から摂取を開始し、耐性を獲得する治療法です。自己判断での除去食は栄養不足を招くため、必ず専門医の指導のもとで行いましょう。
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まとめ
食物アレルギーとの付き合いは、正しい知識と適切な管理が鍵です。自己判断による除去食は栄養不足を招くため、必ず専門医の指導のもとで対応しましょう。赤ちゃんの健やかな成長のために、正しい知識と適切な対応を心がけましょう。