重ね煮とは?
重ね煮は日本発祥の調理法で、鍋に食材を層状に重ねて弱火でじっくり煮込む技法です。野菜などの素材の味を活かすため、塩ひとつまみ程度の最小限の調味料で仕上げるのが特徴です。
日本の食養研究家・小川のけい(1910-1994)によって広められ、シンプルで健康的な調理法として親しまれています。

重ね煮の種類:無水式と水分使用式
主な調理スタイルは2種類:
- 無水重ね煮:野菜の水分だけで旨味を凝縮
- 水分使用重ね煮:水や出汁を加えてまろやかに仕上げ
どちらの技法も素材の本質を活かすため、長時間の加熱と調味料の最小使用が基本です。

重ね煮のメリット
- 簡単調理で美味しく健康に
- 野菜の摂取量が自然に増加
- 作り置き可能(冷蔵で5日間保存可)
- アレンジの自由度が高い
- 基本の調理器具で作れる
- 塩のみで素材の味を引き立たせる
- 子供から大人まで好む味わい

重ね順のコツ:陰陽の法則に学ぶ
食材の重ね順が味を左右します。小川のけいが提唱した陰陽理論に基づき、野菜の生長方向で配置を決めます:

根菜類は生長方向に注意。例えば人参は下向きに成長するため、玉ねぎの上に配置します。

必須調理器具
重ね煮に必要な道具:
- 陶器/鋳物/ステンレス製の厚手鍋
- 蒸気を閉じ込める密閉蓋
- 天然海塩

レシピ集
無水野菜の重ね煮

材料:
- 人参(輪切り):150-200g
- 玉ねぎ(スライス):600g
- きのこ類(薄切り):200g
- 天然塩:下層用2g・上層用4g
作り方:
1、鍋底に塩を敷き、きのこを重ねる

2、玉ねぎ→人参の順に重ね、残りの塩を振る
3、蓋をして弱火で30-40分、野菜が柔らかくなるまで加熱

4、よく混ぜ合わせて完成
味噌仕立て重ね鍋

材料:
- きのこ類:250g
- 大根:150g
- かぼちゃ:250g
- れんこん:200g
- 木綿豆腐:100g
- 水:800ml
- 赤味噌:50g
- 白味噌:20g
- 刻みネギ:適量
作り方:
- 野菜をカットし、豆腐を焼く
- きのこ→大根→かぼちゃ→れんこんの順に重ね、豆腐と味噌玉を配置
- 材料の7割まで水を注ぎ、弱火で7分加熱
- 味噌を溶かし入れ、ネギを散らして完成