クリスマスマーケットへようこそ／時を超える旅
クリスマスマーケットと聞くと、グリューワインの香り、ジンジャーブレッドハウスの温もり、北・中央ヨーロッパの雪景色を想像するかもしれません。しかしスペインのカタルーニャでは、陽光と暖かさに包まれた中世テーマの祭典が開催されます。活気あふれる人混みは春節の廟会を思わせますが、ここでは人々が祝聯の代わりにスペインのアーモンドヌガーを手にしています。
バルセロナ近郊のビックでは、毎年クリスマスマーケット開催時に中世劇が展開されます。商人たちは鍛冶屋や織工、酒場の主人に扮し、中世風の言葉遣いで役になりきります。
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木と布で作られた屋台は中世様式を再現し、手作りの工芸品で装飾されています。商人たちは古風な言葉で商品を紹介し、まるでタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。
食と飲み物／食べれば食べるほど幸せに
デザート
デザートはマーケットの主役。カタルーニャではチュロスとホットチョコレート（チュロス・コン・チョコレート）が定番です。濃厚なチョコレートにはシナモン、オレンジピール、バニラが香ります。
カリッと揚げたチュロスに粉砂糖をまぶした基本形から、チョコレートソースやクリーム、ピスタチオペーストを詰めたアレンジまで様々。チョココーティングにナッツやシュガーパールを散らしたものもあります。
もう一つの主役がトゥロン。アーモンドとはちみつ、卵白で作られる伝統菓子で、硬いタイプと柔らかいタイプの食感の違いが楽しめます。
焼きカルソ
独特な味わいのカルソは玉ねぎとネギを掛け合わせた野菜。黒焦げになるまで焼くと甘くジューシーな茎が現れ、ロメスコソース（ロースト赤ピーマンとトマト、ニンニク、アーモンドのペースト）につけて食べます。
カルソの行列を見た時、ふと山東の長ネギを思い出しました。ネギの普遍的な魅力を実感する瞬間です。
缶詰・保存食品
カタルーニャのマーケットで定番の缶詰。スペインは近代缶詰技術の先駆者です。
塩漬けアンチョビ（アンチョアス・エン・サラソン）はオリーブオイルに漬けられ、マリネオリーブ（アセイトゥーナス・マリナーダス）はハーブや唐辛子、レモンピールで風味付けされています。
これらの食品は地中海の味を封じ込め、チーズやパンと共に試食できるようになっています。
ソーセージ
ソーセージも見逃せません。フエットとロンガニーサは人気のドライソーセージ。フエットは肉本来の風味を活かし、ロンガニーサはスパイスで味付け。その場でスライスして試食できます。
ドリンク
グリューワインの代わりにミード（ハイドロメル）とサングリアが提供されます。蜂蜜発酵酒のミードは甘酸っぱく、赤ワインにオレンジジュースとフルーツを加えたサングリアは爽やかですが意外に強いです。
食を超えて／中世と現代の邂逅
カガネールとカガ・ティオ
カタルーニャのクリスマスにはカガネール（うんこをする人）とカガ・ティオ（うんこをする丸太）が登場。カガネールは豊穣の象徴で、カガ・ティオはお菓子や贈り物を「排泄」する魔法の丸太です。
体験型アクティビティとストリートパフォーマンス
食以外にもアーチェリー（ティロ・コン・アルコ）や陶芸（アルファレリア）が体験できます。子供はオーナメント編みやキャンドル作りに夢中になります。
ストリートパフォーマンスも活気を添えます。中世の結婚式の「リハーサル」に参加できるかも。
結び
カタルーニャのクリスマスマーケットは魔法のような冒険です。笑えるカガネールから魂を揺さぶるカルソ焼き、魅惑的なミードから楽しいサングリアまで、これは単なるマーケットではなく、舌と魂のための饗宴です。
