世界中には訪れる価値のある23の廃墟となった場所が存在します。放棄された船、古代建築物、荒廃した島、廃墟化した遊園地など、それぞれが独自の歴史と物語を有しています。オーストラリアの木々に覆われたSSエアフィールド難破船、カンボジアのアンコールワット、かつて繁栄した日本の端島(軍艦島)、ナミブ砂漠に飲み込まれたダイヤモンド採掘町コールマンスコップなどがその例です。
これらの場所は経済衰退、自然災害、安全上の懸念などにより放棄されました。ブルガリアのブズルジャ記念碑やイタリアの中世村落クラコなど、多くの廃墟は独特の美的価値と歴史的意義を有しています。野生動物保護区や観光名所として再利用された場所もあれば、未だに忘れ去られ朽ち果てつつある場所も存在します。
SSエアフィールド(オーストラリア・ホームブッシュ湾)

1911年に建造された1,140トンの鋼鉄船SSエアフィールドは、1972年に退役後ホームブッシュ湾の解体場に送られ固定化しました。時を経て船体は樹木に覆われ、シュールな浮遊森林を形成。この不気味ながら魅力的な光景は単なる視覚的スペクタクルではなく、船舶の墓場なのです。
謎のドームハウス(アメリカ・フロリダ州マルコ島)

1980年に石油事業家ボブ・リーが娘の住居として建設したこの家は、1993年のハリケーン・アンドリュー後、家族が転居し次第に訪問されなくなりました。
アンコールワット(カンボジア)

12世紀初頭にヒンドゥー寺院として建造されたアンコールワットは仏教寺院へ改修され、1990年以降観光客が急増しましたが、年間を通じて無人の状態が続いています。
ボーディアム城(イギリス・イーストサセックス)

1385年建造のボーディアム城は1483年に放棄され、1925年から一般公開されていますが、依然として知名度は低いままです。
ホランド島(アメリカ・メリーランド州チェサピーク湾)

1600年代に入植が始まったホランド島では、2010年に最後の家屋が崩壊し島全体が放棄されました。
端島[軍艦島](日本)

長崎県の端島は1887年から1974年まで炭鉱労働者が居住していましたが、石油へのエネルギー転換に伴い無人化しました。
ガリバーキングダム(日本・河口湖町)

1997年開園のガリバーキングダムは経営母体の金融危機により2001年に閉園し、不気味な廃墟空間が残されました。
カラヴァンディノ砦(インド・パンヴェル近郊)

標高700mに位置するカラヴァンディノ砦は山肌に刻まれた階段を有しますが、現在では完全に忘れ去られた存在です。
コールマンスコップ(ナミビア・ナミブ砂漠)

1908年のダイヤモンド発見で繁栄したコールマンスコップは1954年に放棄され、往時の栄華を偲ばせる廃墟となりました。
ロンダーデール劇場(アメリカ・シカゴ)

1927年開場のロンダーデール劇場は2000年代初頭に廃墟化し、現在はホテル家具の倉庫として使用されています。
ノースブラザー島(アメリカ・ニューヨーク東河)

1885年から隔離施設として使用されたノースブラザー島は現在、無人島の野鳥保護区となっています。
ロシア軍用ロケット工場

ブロガーラナ・サトールがNPOエネルゴマシュ工場に侵入し内部を撮影しましたが、後に政府から脅迫を受けました。
北京ハッピーバレー遊園地(中国)

タイのデベロッパーが計画した北京ハッピーバレーはアジア最大規模を目指しましたが、1998年に計画が中止されました。
ブズルジャ記念碑(ブルガリア)

1981年建造のブズルジャ記念碑は政府の管理停止後、過去の時代を象徴する廃墟となりました。
ペガサス残骸(南極・マクマード湾)

1970年に悪天候で墜落したC-121輸送機ペガサスは、現在も空港に埋没したまま残されています。
15世紀修道院(ドイツ・シュヴァルツヴァルト)

1480年にシュヴァルツヴァルトに建造されたこの修道院は、今も密林に隠れた廃墟として存在します。
ミルバレー(イタリア・ソレント)

900年代から小麦粉製造に使用されたミルバレーは、1866年のタッソ広場整備を機に放棄されました。
チェンストホヴァ駅(ポーランド南部)

巡礼地として知られるチェンストホヴァの駅は、鉄道愛好家の間でもほとんど知られていない隠れた廃墟です。
刃物工場(フランス)

17~18世紀に栄えた刃物研磨工場は、稼働開始前に操業を停止した特異な廃墟です。
ミランダ城(ベルギー・ナミュール州)

1866年建造のミランダ城は1980年まで児童施設として使用されましたが、1991年以降完全に放置されています。
クラコ(イタリア)

地震や地滑りにより放棄された中世の丘の村クラコには、8世紀に遡る墓所が現存します。
ダディパーク(ベルギー・ダディゼーレ)

1950年代に開園したダディパークは2000年の水遊具事故を契機に安全面が問題視され、2002年に閉鎖されました。
湖畔の漁師小屋(ドイツ・ベルヒテスガーデン国立公園)

1978年建造のこの小屋は、210平方キロメートルの国立公園内にありながら、完成後一度も使用されないまま廃墟化しています。